ティルナノーグ【Tir Na Nog】に憧れて ※カテゴリから見て下さいね。新しい順だけど小説が並ぶので読みやすいです。_(._.)_あ、不思議な写真もよく撮れるので文中に貼りますね。

頭の中で奏でる世界。命尽きる前に音符に書き出したいです。ケルト神話の神々の安寧の地ティルナノーグ。【常若の国】と呼ばれるその地に想いを馳せながら現世を綴ります。

【遊びをせんとて編5】ラビリンスに乗り込んで来た異質

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食物を際限なく喰いまくる、するとラビリンスも拡張。倍々ゲームで全てが拡張路線の日々をどれだけ過ごしたのか。土の中の暗闇でも視力は良くて何ら不便もなかったけど最近変なのよね。根っこを食べようと大きなシャベルのような手を出すと光ってるんだよ。〈キラキラリン〉と、然も黄金に輝いてるんだよね。オケラは元々体毛が黄金色だったのを覚えているけど、この黄金色の輝きは内側からの発光。眩く光る黄金色は身体全体、触覚の先っぽまでも全てが発光している。まるで歩くシャンデリア。〈キラキラリン〉と、暗闇の中の太陽。ポツリと暗闇の中に光り輝く、けれど誰も居ない独りっきりの静寂。いつも御影石のある場所に居る事が多い。自分の居心地の良い場所なんだ。非常に心地良い、人だった頃もずっと独りに成りたかった。そんな気持ちと裏腹に回りは、賑やかしの真ん中に自分を引っ張り出した。それなりに賑わったら、〈フッ〉と消えた。独り、人の輪から離れて土手や川辺で佇む時、沢山沢山の何物かが語り掛けてくるその聴こえない声に耳を傾ける事が一番の憩いのひと時だった。そんなあったのか定かでない人だった頃と思われる記憶を辿りながら、正に今が至福のひと時を手に入れている事に、実は嬉々とした喜びに居て心の中は満たされているのが分かる。そんなかんなで時間を過ごすオケラの僕は長い長い、悠久の大河をずっとずーっと過ごして居た。


人は独りだと寂しいと感じる。それは思い出が無いからかも知れない。正確には思い出を思い出せない、思い出す術を無くしてしまっている。インディオ族やアイヌ族、チベット族の様に固有名で有名な先住民族はある種の先人との魂の繋がりや自然の理と共に歩ゆむ術を希薄でも現代にも受け継いでいる。それら一氏族の命脈で最も多くの人口数を維持する民族は言うまでもなく日本民族となる。血の命脈を幹として揺るぎなく生命を紡いできた民族。確か自分も日本人だったと思う。

記憶を辿ると小学校の入学式の緊張が蘇る。友だち百人出来るかな?とテレビで聴いた歌が物凄いプレッシャーだった。そんなに出来るかな〜?どうやって築くのだろうか?不安要素だらけ。。。そんな緊張感を記憶の中だけど、心に芽生えたとき、それは居た。