ティルナノーグ【Tir Na Nog】に憧れて ※カテゴリから見て下さいね。新しい順だけど小説が並ぶので読みやすいです。_(._.)_あ、不思議な写真もよく撮れるので文中に貼りますね。

頭の中で奏でる世界。命尽きる前に音符に書き出したいです。ケルト神話の神々の安寧の地ティルナノーグ。【常若の国】と呼ばれるその地に想いを馳せながら現世を綴ります。

尚侍(ないしのかみ)ちるなさん

尚侍(ないしのかみ)ちるなさん

落下する私。朝出がけに六才の弟の【お姉ちゃん早く帰ってきてね!】が聴こえる。お母さんの卵焼きが味覚と共に蘇る。些細な出来事の集まりが沢山沢山去来しては行き過ぎる。こんなにも生きる中身は濃厚で多種多様の出来事の詰め物だったんだと、落下しながら振り返る私。走馬灯の様な浅い記憶の上澄み液に浸りながらもう直ぐ私は終わる。今は夏、あと二日で夏休み。中学二年生の私にはまだまだ楽しみな季節だけど、【もういい、もういいんだ】。家に帰れば、優しい家族、楽しいアニメ、そして飼猫のミーちゃん、沢山の私が存在する楽しみ癒しはある。でも中学入学以来のいじめの教室、いじめの友達、そして今朝、幼馴染のあの子がいじめに加わったのを感じた瞬間、【もういい】となった。そう人の営みが全て【もういい】となった。朝のホームルーム前に私は屋上に行き飛んだ。回想のバックには、夏の蝉の声が流れ続ける。きっとこの蝉が鳴き止んだら終わる。そう終わるだけ。。。

蝉の声、止んだ。。。。。。

【ヤッホー】暫しの沈黙を突き破って彼女は現れた!私の顔の前に〈にゅーっ〉と顔を突き出し現れた。【ゴメンなさい、あなた逆さまね】よいしょっと、落下する頭が下の私に向きを合わせて逆さになる彼女。【うーんとね、あなたは分かり易かった!区別は直ぐ出来ました!優秀ですわ!あなたは良い状態の日本人です】。
何の事?この緊急な私の一生の終わりの瞬間に何の事!もう地面に叩きつけられた後なの???
【そうね。〈キョトン〉だね。】、
【ゴメンゴメン】、
【あたしはね。雑多な輩から日本人を見つけて区別の目印を付けて純粋な日本人を見失わない様にする役目を仰せつかっている、尚侍(ないしのかみ)ちるなと申します!】
【あなたの涙。貰い受けます。このダイビングは、キャンセルします。】
【目が覚めたらあなたは日本人として生きる事になります。もう大丈夫!】

【夕焼け空編7】光の使命。それは。。。

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ケルノンクスが、静かに語り始めた。
「惨劇それは、現世で起きていること。事実であるメぇヘヘ」
「話は長くなるのでメぇヘヘは、最後に一度にするメぇヘヘ」
#メぇヘヘ加減できるんかい!#

「小僧殿貴殿が、見てこられた惨状は元を正すと我らダーナ神が負わねばならぬ
因果である」

〈時代背景〉
小僧殿の文明で、語られる史実の言葉を使い掻い摘まんで説明申し上げる。
ギリシャ・ローマ時代以前のヨーロッパ全域を跨がる大きな領域を思い描いて欲しい。
紀元前 の我らダーナ神族は古より人智を超える力と智恵を持つ、森羅万象を体現する神に類する存在じゃった。
我らは、人ではないのじゃ。
人の子等のような欲得の心がなく、心の命じるままに行動するカオスな在り方をとっておった。
好き嫌いが強い移り気の激しいじゃじゃ馬娘の心のようなものじゃ。
そこにヨーロッパの中央アジア寄りにて一大文明を築き上げた人族であるケルト人が現れたのじゃ。どうもダーナ神族とは違う神に類する日出ずる国より訪れた神に気に入られ手厚く指南を受けて一つも二つも抜きん出た人族として、ヨーロッパ全域に侵攻してきた。
ケルト人の侵攻とは、小僧殿の知る植民地化するためのものではなく、純粋に強き物を探し求め己の強さを試す冒険色の強い目的であった。
ケルト人は、破竹の勢いでヨーロッパ全域を駆け巡った。
駆け巡る先々では、略奪・思想の押し付け、植民地のような搾取など皆無でケルト人と違う人族に触れると、人族を苦しめる太古からの存在の討伐とゆう名目で強い相手を求め巡った。
先進の科学技術である鉄器もケルト人の侵攻で広まった。
ダーナ神族のテリトリーに現れたのも至極当然。メぇヘヘ

ケルト人はアホじゃ。〉
ダーナ神族の神の力にケルト人は狂喜した。
強いぞコイツらは!
倒し甲斐があると!
ケルト人は、一言で言えば、アホじゃ。
己の生を輝かせるために命を賭けて挑んでくる。
ケルト人の裕福な王であろうと、その地位を投げ捨て単身で攻め上がってくる。
卑怯なまねは良しとせずに正々堂々真っ向勝負。
負けても遺恨は残さず勝者を讃え敗者の勇気に涙する。
小僧殿の言葉で表現するならば、エンタテインメント好きのお人好しで、察しが悪いイノシシ野郎じゃ(女性も同じじゃ)。
この面倒で厄介な愛すべきケルト人は、カオスな面が主な我らダーナ神族が戦う気持ちも最初から湧かなかった、じゃれ合いながら住処を追われ続けて、常若の国に引き篭もる事にした。
しかしながら気儘なカオス心旺盛なダーナ神族が、大人しく籠もる訳もなく、
ことある度にケルト人とじゃれ合いに味方になり、智恵を授ける等の関わりを続けた。
そんな面白き数千年が過ぎ去り。
ギリシャ・ローマ時代と移り、ケルト人も追われる存在に成った。
ケルト人は、我らダーナ神族と親交するためにドルイド僧という術者も確立していた。
何を隠そう、我もドルイド僧との親交は活発に行い面白い時を過ごした。メぇヘヘ

ケルト人の衰退〉
ケルト人の衰退は、先に話したそのアホに依る所が大きく。ギリシャ・ローマ人の狡猾な智恵に、どんどん倒れ、とうとう致命的な局面をむかえる。
キリスト教ギリシャ・ローマ人は、正式に国の信仰と定めた。
これにより、キリスト教以外は異端の信仰邪悪なるものと位置づけられ
我も知名度高い悪魔として認定頂いた。
その名は、大悪魔バフォメット。
有り難迷惑の極みである。

ケルト人の衰退は、異端となったドルイド僧を介してダーナ神族と親交していた事が出来なくなった事が大きい。
キリスト教徒は、異端の信仰の先導者としてドルイド僧を狩った。
ケルト人の窮地をダーナ神族も護るも出来なくなって衰退していった。
イングランドの島では、アーサー王が一時盛り返したがキリスト教は根強く、長くは持たなかった。メぇヘヘ

〈ここからが本題じゃ〉
現世の惨劇の元凶は、キリスト教徒が目覚めさせた。
全てを異端視するが故に太古に眠りについた邪神族を暴き出し攻撃し目覚めさせた。
最大の邪神にも手を出した。
その名は、クトゥルー
この世に混沌を持たらすもの。
余りにも異質、理解の余地無き破壊者。

キリスト教徒等は、神のお導き引きだ、どうのこうの理由をつけて掘り返してはいけない封印を、わざわざ探し出し解いてしまう。
オー神よ助け給えと、言うならば、封印を解くな!メぇヘヘ

〈元を正せば。。〉
ケルト人の衰退を消滅せぬまでに守ってやらなかった我等にも後悔がある。
今でもケルト人のアホさは、可愛くもありダーナ神族の中には手を貸そうとする輩の数は絶えない。
惨劇の場に現れたク・フリンは、ケルト人を人の子等と同一視する人寄りの心が強い神であり、クトゥルー神討伐に名乗りを上げた。
ダーナ神族の自由模倣なカオスが悪い方に出てしまった厄介な事柄じゃ。メぇヘヘ〟

〈そこで決めた!ダーナ神族始まって依頼の総意〉
蔓延るキリスト教徒は、どうしようもない。
ダーナ神族としては、常若の国で安穏と悠久を過ごせるが、貴殿も目撃したク・フリンの暴走もわざわざ危うきに飛び込む輩と目を瞑るには、神族同胞の不憫を見るには忍びない。
このまま放置すると、キリスト教徒は滅びるだろうが人の子等も消え去る。

だから介入するか?
いいや、ここまでは傍観者でどうにも出来る範疇でたいした話ではない。

大事なのは、貴殿の足に付いて来ておるアーリンの眼じゃ。
そいつは、クトゥルー神の眷族。クトゥルー神は無慈悲な破壊者。
常若の国も既に侵略され切り取られている!

我等、ダーナ神族も実は危機なのじゃ。メぇヘヘ 〟

#ね、分かったけど。。。
このアーリンとかは、排除した方がイイんじゃないかな〜
ずっと足にへばり付いているんだけど。。。#

「流石じゃ、よくイイ所に気が付くの〜
もうちょい待つのじゃ、忘れてはいない メぇヘヘ」

#いや〜気が付くも何も、足に気持ち悪い羽根の生えた目玉がしがみついてるのは、気付くでしょう流石にしかし#

「さて、貴殿の話をしようかの〜」

【夕焼け空編6】許されざる、惨劇。きっと忘れない。

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ブワ〜んと、目の前が暗転。。。
真っ暗闇から明かりが戻る。
目の前には、角あるメェヘヘは居なくて。。。
少し先の暗がりにポツンと赤色球体が見える。
〝赤い玉の側まで走れ!〟と、帽子の声が頭に響く。
#帽子カラスは、まだ頭の上に居た。重くないから気が付かない#

暗がりに目が慣れてくると、〝なーんだ、日本の町中じゃないね!〟、
「カラスちゃん、日本の町だよね?」と聞くと、
とある海岸沿いの小さな町だと、帽子。
赤い玉は、交番のアレだねアレ。
#夢なんだよねと思いながら、言われた通りに歩く#

「止まれ!」と、交番の真横の電柱でカラス帽子の命令がでる。
何をするのか聞こうとしたら、白い犬がワンワン鳴きながら交番の真正面の商店街アーケード入口からものすごい勢いで走ってくる。
その少し後ろに転げ回るように走ってくる若い男。。。
その後ろ手には女の人を手で引っ張って。
ヒールから何かで走り辛かったのか裸足に見える。
ここは、丁度、アーケード入口に面した交差点の交番。
交番に駆け込んでいるんだなきっと。
ゴールイン!交番に転がりは入る。犬もゴールイン!
#ナイス!#

野次馬のように、交番内に何事かと入って聞こうと動こうとしたら。。。
「動くでない!」とくちばしでチクーって突かれる。

女の人の後ろ手アーケード入口から、沢山人影がゾロゾロと出てきた。賑やかになってきた。
若い男が、巡査に飛びかかる勢いで声を張り上げた。
「助けて。早く海岸へ、友達たちが化け物に捕まっている‼」
「早くはやく‼」。。。お巡りさん!

壁の方に机を置いてあるので巡査の背中に叫んでいる。
ノソリと、巡査が振り向く、ぎゅろろと瞼が下から出て来る⁈
男は吹き飛ぶように、真後ろにひっくり返って交番の壁に後頭部を強打。女は、巡査の顔を見て半笑い。。。

巡査は、ヌチャヌチャと耳元まで裂けている口をじゅるりと、人舐め。
まるで、魚類の顔。ヌラヌラした膚に。。。
多分、元は人間だったことを物語る
ように、警帽を被り頭髪も疎らに残っている。ぎゅろろと、下から瞼が閉じる目は、死んだ魚のあの目。
〝ヒイイー〟男は、一声吐いて動かなくなった、力が抜けたようだ。
女は、男の後ろ側だったので交番の入口に半身入れていた。
が、その外側にはゾロゾロと町の人。。。
いいや、人だった魚類の顔が真横に並んでいる。
赤いスカートの女性ぽい魚類。
パジャマ姿の子供の魚類と様々だ。

半笑いのまま振り返った女は、赤いスカートの魚類に、さとみちゃん、さとみちゃんだよね⁈と呟いてユラ〜っと、魚類の顔の群れの中に歩み寄る。

その時、パパパパッと乾いた音が唐突に響き渡る。
魚類が、ぶちゅぶちゅと肉片を飛び散らせ緑色の体液をまき散らせながら崩れ落ちる。
「こちら、空自異形種殲滅ストライカー部隊ワイルドウルフ隊、富山県警対策本部へ送れ」
「我ら遭遇!事象の発生を確認した。
これより殲滅開始。
本山町への流入道路て徹底封鎖願う送れ」

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ガーガーと、無線のノイズ音を出しながら、無線機を背負った自衛隊員?が現れた。電柱の陰から見えるのは4人。装備が凄い。
あれは、最新の89式カービン銃、銃身の下にはフォアグリップをカスタムしている。
銃底を肩口にあてがい顔を少し斜めにしながら、タタタタと滑るように魚類の群れに近付いてくる。
顔は硬式フェースガードで固め、目はサングラスのようなゴーグル、真横を通る無線機の隊員のゴーグル内に、電子液晶画面の光が漏れる。
片口には、おおお初めて見た!無線LANのアンテナもある。
という事は、全員が情報共有を無線LANで行い、後方にある司令部のスクリーンには、彼らが目視している映像が生中継されているだろう。
でも、やはりデカイなこれだけの電子装置を持つとバッテリーがネックだね。腰のデカイ箱、バッテリーだね。
まだまだだね〜。と、思いながら傍観しながら、カラス帽子に聞く。
「どうして、あたしは彼らに声掛けられないんすか?」
すかさず、「ケルノンクスの加護で、現し身だけの存在。
お主の実体はまだあの雪の広場のケルノンクスのまえに座ったままじゃ、視覚だけがココにあると思え」

#そうなんだ!現世でエンジニア職種で働いてて疑い深い割りには、深くは突かずに事象だけをまずは受け入れる、素直さが売り(笑)#

「じゃ、見えない存在の自分は見物してきていいのかな?」と聞くと、
一歩もこの電柱の陰から出てはいけない!人らに勘づかれるのは、どうとでも良いが、魚類にはそなたの存在が知れると、お主を加護しているケルノンクスまで危うくなる。ケルノンクスは、命懸けで膨大なマナを使ってお主に伝えるべきこの惨状を見せておるのだと説明される。

じっとしとく事にする。

89式カービン銃で、蹴散らされた魚類群の中から、逃げてきた女性を自衛隊員二人が引っ張り出す。
まだ、動いている。良かった。流石は自衛隊
女性が顔を上げる。。。。
口が、耳まで裂けている、、、
「下がれ〜!!」後方の4人目の隊長と思われる自衛隊員が叫ぶ!
1人の自衛隊員が、腕を掴まれた。

隊長も残りの1人も駆け寄り助けようとした時、交番の中から二匹の魚類が出てきた。一匹は、銃を隊員に向けて立て続けに発砲する。
もう一匹は、女だった顔半分魚類に近付いて行く。
六発の銃声の後、自衛隊員一人が倒れ伏し、残り一人は足を引きずり、隊長は、片腕をダランとさせて必死で足を撃たれた隊員を、魚類が溜まった死地からの退避を始めようと、商店街の方に向きを変えたが歩き出す事は出来なかった。
それは、いつの間にか彼等の後ろは魚類に埋め尽くされていたから。。。

ドンと、魚類の溜まった場所に白煙が上がった。倒れ伏した自衛隊員は、二人を逃がすために自爆した。血煙が残る。
#嘘、、、と、自分は呟く#

白煙の後、巡査と逃げてきた男も吹き飛んでいた。
ただ、逃げた男は、魚になりかけの女性の横で女性の手を握って事切れていた。
まだ、男は中身は人の意識を残していたのだろうかと思う。

逃げ場の無くなった隊長と足を撃たれた隊員は。。。
隊長が、ゆっくりとゴーグルを外してゴーグルのカメラに向かって話す。
「こちらワイルドウルフ隊 隊長 敷島三尉」
「日本のみなさんの武運祈ります。これより最終殲滅にはいります。
完全殲滅は無理と思われます、仕事が残り申し訳ありません。
最後に、お世話になりました!」と、にっこりと敬礼。
胸ポケットから、セブンスターを出してシュパッと、火をつけ、
ふーと吸い込む。
さてとお、ゴーグルを肩口にかけて、もう一人の隊員に声をかける。
「すまんかったな、斎藤、非番に呼び出してこの坐摩だ」
「お詫びは、靖国でな!」と駆け出す。

斎藤隊員がやれやれと、ゴーグルを外す。
「隊長〜どうも好かんのですよ、この生くさい奴らの匂い、あちらじゃ唐揚げでお願いします!」と隊長の後を追う。

「斎藤、グレネード弾二本、残段数80、手榴弾2」と日焼けた顔が伝える。
「敷島グレネード弾一本、残段数90、手榴弾2、コルベット残り12発」
と伝えながら前進する。
やおら立ち止まり、〝行くぞ〟と呼応し
二人、同時にグレネード弾を撃ち込む。
間髪入れずに敷島隊長が魚類の群れに向かって駆け出し、斎藤隊員の露払いをする。
だが、カービン銃を撃ちまくっても魚類の群れは肉の壁のように、次から次へと押し出して迫ってくる。
その時、後ろにいた斎藤隊員が、前転を三回して敷島隊長から、体1人分飛び出してパッと立ち上がり、隊長に振り返って、ドヤ顔しながら敬礼する。口元が「靖国で!」と動いた瞬間、閃光が走り白煙が残る。
自爆。。。

「バカヤローがーーーー」と、最後の拳銃コルベットを単発で撃ち込みながら斎藤隊員が開けた魚類の壁に向かって白煙の中に消える隊長。

銃声も消え、白煙が去ると三人の人間が幽鬼のように現れる。

「役立たずのインスマウスめ。
ダゴンの食物の役のみで良いモノを」と、金色の神官服の男がはなす。

「人族もインスマウスになる材料故に価値はあると分析する」と、薬剤師のような女が歌うようにはなす。

「虫けらめ」と、力士のような体格の男が。。。
敷島隊長の頭を鷲掴みにして、片手で掲げて、それを握り潰す。
血だまりの中に、セブンスターの箱が佇む。

自分は電柱の陰で放心して。。。ただ、見てた。

真上からドシャンと、重い物が落ちてきた。
無線機だ! そうだ、無線機の隊員が1人残っていた。
何故に上から。。。

ぶわ〜んと、青い色に包まれた無線機の隊員が降りて電柱の前に降り立つ。
「なんと、清廉なる戦士たちよ!バルハラの戦士に価する行いぞ。
この魂の輝き我も加勢せねばならぬ。
ケルノンクス、モルガン神々の祖との約定に抗うこと許されよ」

パーンと青い光が増し、そこに現れたのは、スパルタの戦士のような出で立ちのトサカ羽のある鉄兜、赤いマント、革のサンダルに、右手には巨大な剣、左手には光り輝く丸い盾。

「クククやはり、居たか!ダーナ神の戦士よ。酔狂よの〜
ケルト人の次は日本人に肩入れするか。」
金色の神官服がニヤケる。

「いざ、参らん、日出ずる国の戦士に報わん」
剣が青く輝き、槍に変わる。

「その槍、ゲイボルグ!ほーこれは、上々、ク・フリンが釣れるとは」と薬剤師風の女。

もうク・フリンと呼ばれた戦士は、何も喋らない。
ドーンと風圧の後の緑血煙が、舞ったあと、魚類のインスマウス人は一人も残ってなく。
人間?幽鬼三人とク・フリンが、より固まって立つ。
ク・フリンの槍ゲイボルグは、力士男の身体に突き刺さりガッチリと掴まれたまま動かない。神官服の男は、身体は消し飛び、生首だけで生首の付け根から生えた蛸の足のような触手で、ク・フリンを羽交い締めにしている。
薬剤師のような女だけが、ゆらゆらとク・フリンの後ろに立ち、目障りなダーナめ!と、どす黒い色の長い爪をク・フリンの首筋に突き立てる。
その刹那、ク・フリンは、唯一動く方向である力士男の身体に渾身の力で、突きを入れる。
ゲイボルグよ、不浄を消し去り、戦士の魂を讃えよ!」
言葉を残して光の屑となり霧散する。

ゲイボルグは、ク・フリンの意思を介して力士男を突き破り、神官服の男の首を突き消し、電信柱に一直線に飛んでくる。
電柱の陰に沿い立つ自分の身体に触れる瞬間に、ぶわーんと目の前が暗転し雪の広場に戻る。
ケルノンクスの後ろの木には、ゲイボルグが突き立っている。

放心というより、涙が止まらん。
何なのこれは、惨劇過ぎる。日本人が日本人がやられた。
そして、仁のあるク・フリンの男気。。。

ケルノンクスが、静かに語り始めた。

摩訶不思議な事をいとも簡単に行うヒントが掲載する小説にはあるかも知れません。

七年も地中に住まい、地上でたった一年しか生きられない蝉の生涯をどう考えます。七年のエネルギー蓄積を7日間で燃焼させる。それだけ溜め込んだエネルギーなら思いも寄らない摩訶不思議なことさえも実現するのかも知れませんね。