ティルナノーグ【Tir Na Nog】に憧れて ※カテゴリから見て下さいね。新しい順だけど小説が並ぶので読みやすいです。_(._.)_あ、不思議な写真もよく撮れるので文中に貼りますね。

頭の中で奏でる世界。命尽きる前に音符に書き出したいです。ケルト神話の神々の安寧の地ティルナノーグ。【常若の国】と呼ばれるその地に想いを馳せながら現世を綴ります。

【君を捜して編8】 “ハクア”の親友なんだ“ミケちゃん”は。。。 副題:樹海で生き抜く逞しさと残虐さとお色気と

 

◇ 怪猫_猫娘“くつ下ちゃん”と無事会合出来た“ハクア”。それと同時期に結界烏丸は巨人三体に襲われ窮地に陥る。そこを救ったのは、異変を感じて真っ先に駆け付けた“くつ下ちゃん”。見た目とは違う無慈悲なまでの強爪で巨人は瞬殺される。“御君様:ゆうや”にも強烈にそのミニスカートと真っ赤なパンティが刻み付けられた。。。◇

 

〈ゴロゴロ、ゴロゴロ〉先程から僕の膝の上に丸まって例の猫娘が喉を鳴らして居る。“ハクア”が言うには、気に入ったら〈ピトーっピトーっ、ゴロゴロ、ゴロゴロ〉してくる猫娘の癖なのだそうだ。※気に入られたのか〜でも“みなみちゃん”の視線が突き刺さる。。。

片脚を切り飛ばされた巨人は、“ジーク”と“ハクア”から尋問を受けて居るが口は固い。。。というか。反応すら示さない無視状態。困り果てていると、“ミケちゃん”が「あたし聞いてこようか?」と申し出る。丁度良い「頼むよ!“くつ下ちゃん”」と頼む。くるリンとバク転して巨人の所に駆けていく。あ〜、またまた、お尻丸出しの真っ赤なパンティが視線の先に見え続ける。。。容姿は猫耳とミケ柄の尻尾が怪猫?の証だが、他は全く人間と変わらない、黒いタートルネックに黒いレザーのベスト、黒いハイソックスそしてレザーの超ミニタイトスカート、目元がキリッとしたボイッシュな感じの美少女なんだよね。※だから困る。。。目のやり場!だんだんと、“みなみちゃん”が鬼の形相となって行く行く。

そうこうしていると赤いチラチラが巨人に辿り着く。
〈どゴン、どガン〉巨人が必死に逃げようともがく。無表情だった顔が恐怖に引きつる。
「ねー、どうしてお話しないの?」と“くつ下ちゃん”が爪先で横たわりゴロゴロともがく巨人の大きな腕を〈つーっ〉となぞる。
「ウガウガ、うガー」巨人が悲鳴をあげる。爪でなぞった後が、パックリと割れて骨が見える。爪は相当に鋭利なのか、血も出ずに白い脂肪層の断面が露出し、暫くして白い脂肪層に真紅のぽちぽちが滲み出て来る。
「ねー、ねー、どうして無視ニャ?」と、顔を覗き込まれた巨人が
〈ぎゃーーーーーーー〉割れんばかりの悲鳴をあげる。
「わかりました、ハア、ハア、お許しください。。お許しください申し訳ありません、何でもお話し致します。ですから魂いだけはお許しください猫又姫様」※あの巨人が〈ぶるぶる〉震えている。
「なーにね、もーわがままさんニャ^^最初から素直にするニャ」
〈ツンツン〉と爪先で巨人の手の甲を突つく。
〈ボフっ〉と手の甲に風穴が開く。〈グあぎゃー〉と後から巨人の悲鳴が木霊する。

〈トントンと〜ん〉と“くつ下ちゃん”が戻って来る。
「お話ししてくれるんだって!ハニーちゃん褒めて褒めて」と尻尾をピーんと立ててもじもじしながら頭を下げている。
お礼は言わないと。。
だけど、強烈過ぎる行動に言葉も出ないけど絞り出して「ありがとう」と恐る恐る頭を撫でる。
〈ゴロゴロ、ゴロゴロ〉とまた喉が鳴り始める。。。
“ハクア”に促されて、巨人を詰問しに歩み寄るがこれは質問できる状態ではない。
「“ハクア”お願いだけどね、応急手当てしてあげれないかな〜?」と問うと、
「はい!全力を尽くします!」と風圧を感じる程の弾ける様な返事が返る。
「“鴉天狗”医療班、“御君様”の下知じゃ、これに参って身命をとして手当をせよ!」依頼と同時に〈すタタタタ〜〉と胸に医療班とハンカチ付けて“鴉天狗”が5羽、巨人の傍に駆け寄り治療に取り掛かる。
魔法なのか詠唱を始めながら止血の処置を行い始める。
“ハクア”がその周りを回りながら舞を舞う。その姿は、平安時代白拍子の如く、清廉で華麗で荘厳。舞う程に巨人は白い光の靄に包まれる。
ゾロリ。。ゾロリ〉何か引きずる様な音が近ずいて来る。植物が密集している藪から〈カサカサカサ〉と出てきたのは。。。なんと、切り飛ばされた巨人の脚、それ自体が生き物の様に自力で巨人の体に近づいて来る。
そして、“ハクア”の舞の白光が巨人の脚に伸びて行き体へと引っ張る。
ゾロリ。。ゾロリ〉と体の脚の切断面に引き寄せられて〈ぺタッ〉とくっ付く。白光が一際輝きを増す。切断された脚は何事も無かったように元に戻る。何事も無かったように。。。
「う〜っうー」と巨人が座り直し、“ハクア”に対して平伏す。
“ハクア”も舞を終えて平伏す巨人の前に立つ。
「巨人よ!私に平伏すは道理違い。私はそなたの命なぞ微塵も救う気持はない!そなたの命は“御君様”のご意向。平伏す方向が違います!」と、“ハクア”は白拍子の純白の袖を捲り、僕の方を手の平で恭しく指し示す。
巨人はその大きな体からは想像出来ないほどの俊敏さで、此方に向き直って平伏す。
「“御君様”の慈悲をとくと感じ入るが良い!」と“ハクア”が凛とする声音を樹海全体にも届かんとばかりの威勢で言葉する。
※それに呼応して〈パラパラ、パラ〉と砂埃が樹海植物の葉に降り掛かるのには誰も気づかない。